TOPIK赤本(『韓国語能力試験TOPIK1・2級』のこと)を読み進めていたら、
좀:ちょっと、少し 類 조금:少し
『韓国語能力試験TOPIK1・2級』p.18
と類義語が登場し困惑したので、ニュアンスの違いや使い分け方をネットや辞書をもとに調べてみた。
ただ、それだけだと実用的かどうか判断ができないので、知人の韓国人ネイティブにも監修してもらった。そのため、正確性という観点では安心して読み進めてもらってかまわない。
記事の最後には、内容を理解できているか確認するための簡単なチェックテストも用意してあるので、ぜひ自身の理解度をはかってもらいたい。
チェックテストがあるのは当ブログだけだよ
좀と조금の意味と違い
両単語ともに「少し」という意味であることはタイトルからお分かりいただけると思うが、ここではせっかくなので、それぞれが持つ他の意味も押さえることにする。
좀の意味
- (程度や量が)少し、ちょっと
- (時間)少し、ちょっと
- (要求・依頼において)ちょっと
조금の意味
- (程度や量が)少し、ちょっと
- (時間)少し、ちょっと
- (名詞的用法)少し
좀と조금の違い
上で紹介した意味だけではニュアンスの違いが分からないと思うので詳しく解説する。
まず形式的な面の違いでは조금には名詞としての用法があり、その点副詞だけの意味をもつ좀とは異なり「조금만(少しだけ)」のような表現が可能となる。
次に、みなさんが気になるニュアンスの面では、조금が実際に少ないことを表すのに対し、좀は必ずしも少ないわけではない婉曲的なニュアンスがある。
どういうことか。
まずは日本語の例文で理解しよう。
卒業旅行アメリカか、、、ちょっと(少し)遠いね
上のような日本語があったとする。日本語話者なら感じ取れると思うが、この発言者は内心「アメリカ遠っ」と思っているに違いない。
この場合の「少し」はアジア特有の婉曲的な表現で、必ずしも距離が「少ない」わけではないニュアンスである。좀に相当。
좀は日本語の「ちょっと」に該当する婉曲的な表現
さて、次に
(自販機前にて)小銭ないから少し貸してくれん?
この場合の「少し」は100円程度の「実際に少ない」金額であることが感覚的に理解できる。조금に相当。
조금は実際に少ない
説明だけでは使い分けできるようにはならないので、以下の例文で理解度を高めよう。
좀と조금の例文を用いた使い分け
上では좀と조금それぞれの意味と違いを簡単に紹介したが、これだけでは実感が湧かないので以下では例文を用いた使い分けを紹介していく。
効率的な語学学習にオススメなのは例文暗記なので、ぜひ覚えてもらいたい。
ちなみに、筆者は例文暗記に特化した外国語学習アプリ「Parrot.」で日々学習している。
좀を用いた例文
좀の方が難しいので、何回も確認→좀は婉曲的な表現だったね。実際に少ないかどうか分からない時や、依頼や要求を低姿勢(婉曲的)に表現するときに便利。
・좀 부탁드립니다.
→ ちょっとお願いします。
・좀 더 일찍 와.
→ もうちょっと早く来て。
・병이 좀 악화되었어요.
→ 病気がちょっと悪化しました。
좀は「ちょっと」と訳すのが自然だね。その逆も然りで、日本語の「ちょっと」を表現したい場合は좀と言っておけば無難。
조금を用いた例文
一方の조금は簡単。量や程度が実際に「少し」である時に使えばいい。あとは名詞的用法のとき。
・조금전에 했다.
→ 少し前にやった。
・조금만 주세요.
→ 少しだけください。(만の前は名詞)
・너무 조금이어서 슬펐다.
→ あまりにも少なくて悲しかった。(これも名詞的用法)
一応ことわっておくが、좀が実際に「少し」という意味を表す場合もある。ただ、本記事の趣旨は理解と暗記の促進なのであえて断言する形で説明した。
実際の使い分けは会話の文脈や雰囲気を読み取ってやってみるのが一番。これがなかなか難しいのだが、、、
좀と조금の違いをチェック
記事の内容は以上。
ここでは最後に30秒でできる簡単な確認チェックをしてみよう。
全問正解したら좀と조금の違いに関してはもうバッチリ。
Q. 좀と조금のうち実際に「少ない」のはどっち?
A. 조금
Q. 10年ぶりの中学同期「돈 좀 빌려 주세요(お金を少し貸してください)」この場合「좀」の金額の多寡は?
A. 200円という少ない金額は要求してこなさそう。たぶん10万以上。金を借りる側の低姿勢で婉曲的な表現。