初めて’제시간’を見た時は「私の時間?」と違和感を覚えた。文脈的にこの訳だと意味をなさないので、時間に関する別の意味を持つのだろうと推測していた。
タイトルにもある通り答えは’定刻’という意味。しかし、なぜ’私の時間’が定刻という意味になるのだろうか?
本ブログでは’제시간’の由来について調べてみた結果わかった情報を共有したいと思う。
제시간の제は’私の’ではない
ネットで調べる前は「韓国語にはきっと제시간を’定刻’たる意味にする独自の言語理論があるのだろう」と勝手に想像していた。
「私の時間」→「私が決めた時間」or「私によって決められた時間」→「定まった時間」→「定刻」みたいな感じで私を中心に世界が回っているのかなと。
「おまえの時間は俺の時間」
しかし、実際のところ全然違って、제시간の제は’私の’ではないことがわかった。
제시간の제は’적에’の縮約形?本当に?
まず、Yahoo知恵袋のやりとりに以下のようなものがあったので共有。
Q. 文脈がややおかしいです、「제 시간」は他にどんな意味を持ちますか?★韓国語★ 「제 시간」を直訳すると「私の時間」ですが、文脈がややおかしいです。 「제 시간에 가려면 일찍 떠나야 합니다」
ヤフー知恵袋
A. この場合の「제」は「적에」の縮約形からきているものだと思います。 (~のときに、~の折に) 「적에」の「적」は、時や経験を表す(~のとき、~したとき、~するとき ~したこと)意味で、「때」の類似語です。
제시간の제は「時」や「経験」を表す’적’を用いた적에「〜ときに」の縮約形であると回答者は主張している。
筆者はよわよわ韓国語ビギナーで、恥ずかしながらそもそも’적’という単語の存在自体を知らなかったので、その意味と例文を自分でも調べてみたのだが、
・네 살 적.
→ 4歳のとき。
・축구 시합에 졌을 적에 .
→ サッカーの試合に負けた時。
とまあ、こんな感じで、たしかに上に書かれている「〜のときに」という意味はありそう。
しかしながら、この訳という前提で제시간を直訳すると「〜する時の時間」となり小泉進次郎みが深くなってしまう。
「제시간は何かをする時の時間だと思います。だからこそ、その時間なのです」
大半の人間ならこのヤフー知恵袋のやりとりに満足してしまうのだろうが、私は進次郎に屈服した気分がするのでもう少し粘って調べてみることにした。
제시간の제は「自分本来の」を意味する’제’っぽい
そして最終的に辿り着いたのが「私の」の派生型である「自分の、自身の、自分本来の」という意味を持つ’제’。振り出しに戻った。例文を見てみよう。
・제 능력을 발휘하지 못하다.
→ 本来の機能を発揮できない。
・제 팔자 개 못 주다(*).
→ 自分の星周りは犬にやれない(定められた運命は捨てられない)。
(*)韓日・日韓辞書アプリの例文より引用。
このように、「自分本来の」という意味の제であれば「本来の時間」という極めて自然な訳が実現可能となる。
本来の時間→本来定められた時間→定刻。
これだわ
某アン理論でもなく小泉進次郎構文でもないので私としては非常に満足なのだが、異論は歓迎する。
その他有力説があればドシドシ報告してもらいたい。
以上、今回の記事でした。